連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越梨江の旅行手記〜」第95回

一の宮神社巡りを趣味とし御朱印を集めている友人が東京から三泊四日で遊びにきてくれて、宮崎、鹿児島、大分と三県の一の宮神社参拝の案内をしました。旅の行程は、初日のお昼に宮崎空港に迎えに行き、青島で美味しい海鮮料理を食べて、そこから南下して、鵜戸神宮へ。その後青島神社まで戻ってきて、鬼の洗濯岩を歩き、そこから霧島に向かい霧島のホテルに一泊。二日目は、霧島神宮に参拝した後、大隈国(鹿児島)一の宮鹿児島神宮へ。鹿児島神宮から薩摩国(鹿児島)一の宮新田神社へ。桜島を見ながら宮崎に戻り私の実家に宿泊。三日目は、一日使って、豊前国(大分)一の宮宇佐神宮へ。この日も私の実家に宿泊し、四日目に日向国(宮崎県)一の宮都農神社へ参拝して空港まで送って行き、友人は大満足して東京に帰っていきました。

今回ご紹介するのは、私も初めて参拝した鹿児島県川内市にある薩摩国一の宮新田(ニッタ)神社です。ここは高千穂とはまた違った天孫降臨の地で、標高70メートルの神亀山(しんきさん)という亀の形をした小高い山の上にあり、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が祀られています。古い言い伝えによると、瓊瓊杵尊は、この辺りで暮らし、亡くなった後にお墓(可愛山陵(えのみささぎ))がつくられ、これが新田神社の始まりと言われています。全国でも珍しい、瓊瓊杵尊のお墓(天皇陵)があるこの神社は、島津家にも大切にされ、薩摩国の守り神として、現在も神秘的な雰囲気を纏い、自然豊かなパワースポットとして静かに参拝客を魅了しています。

薩摩国一之宮新田神社

鹿児島県薩摩川内市宮内町一九三五の二

■交通

肥薩おれんじ鉄道 上川内駅から徒歩二十五分
JR九州新幹線 仙台駅からタクシーで十分