連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越梨江の旅行手記〜」第95回

今回ご紹介するのは、宮崎県西臼杵郡(にしうすきぐん)高千穂町にある荒立(あらたて)神社です。瓊々杵尊(ににぎのみこと)が天照大神の命を受けてこの国に降臨する際の道案内をされた猿田彦命(さるたひこのみこと)と天鈿女命(あめのうずめのみこと)が結婚して住まわれた地と伝えられています。荒木を利用して急いで宮居を造ったことから、荒立宮と名付けられました。
天鈿女命は、世界が暗闇だったとき天岩戸の前で面白おかしく踊り、それを見て愉快に楽しむ神々の様子が気になった天照大神が、岩戸をちょっと開け、岩戸開きのきっかけを作った、大貢献者です。

荒立神社の拝殿はこぢんまりしているのですが、その奥の山そのものが御神体とも思える緑豊な神社です。おみくじは二十円、そのほか手作り感満載で味のあるお守りや、その山を利用してのさまざまなアトラクション的なもの(木の板と小槌/7回叩くと願いが叶う)も楽しめます。参拝したのは平日でしたが、恋人同士かご夫婦か、カップルの参拝者が途切れることはなく、森のあちこちで7回叩くコンコンという音が響いていました。

この神社、神秘的というよりは、目の前に広がる山間特有の田んぼの感じや、空の狭さなどが醸し出す、日本特有の自然の美しさを愛でることができる幸せな場所です。拝殿の隣にある神楽殿の中にあったお面の多さは見る価値あり。なかなかあれだけのお面を近くで見ることはできないので必見です。芸能のご利益があるということもあり、芸能人の参拝も多いようです。高千穂は独特の雰囲気を持った土地です。ご縁があれば参拝されてみてくださいね。

荒立神社

宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井六六七

交通

高千穂バスセンター 徒歩 十五分