連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越梨江の旅行手記〜」第92回

今回ご紹介するのは、杉並区高円寺にある、日本で唯一お天気を祈願する気象神社です。実は、今年に入って体調がすぐれず鬱陶しい日々を過ごしていて、パッと心が晴れるような、気分転換できる神社があったら参拝したいなぁと思い、最初に閃いたのが気象神社でした。高円寺駅の南口から歩いてすぐの、氷川神社内にご鎮座されています。御祭神は、八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)天照大神が、天岩戸に隠れて世の中が暗闇になった時、岩戸を開けて天照大神を下界に戻す知恵を出したのがこの神様で、晴、暑、雨、雪、雷、風、霜、霧と八つの気象条件を司ることができるとされています。
気象神社は、昭和十九年杉並区にあった大日本帝国陸軍の軍旗気象部構内に造設され、戦略のための予報的中を祈願するなど気象観測員の心のよりどころとなっていたようです。戦後撤去される予定でしたが、高円寺氷川神社に遷座されることになり、おかげさまで現在私たちも参拝することができます。参拝を済ませ、とても可愛らしい下駄の絵馬を見てみると、○月○日、「息子の結婚式なので」「九州に旅行に行くので」「スタジアムで大好きなアーティストのライブがあるので」晴れますように。とか、「気象予報士の試験に合格しますように」とか、「脱雨女」とか・・・。目に入る絵馬を見ているだけで、自然と口角が上がり私の心がほっこりしていることに気できました。平日のお昼間だったのですが、ベンチに腰掛けて休憩している間もずっと、幅広い年齢層の男女が、次々にいらっしゃいます。雨も嫌いではないけれど、やっぱりお天道さまはパワフルで三十分足らずでしたが、いっぱいエネルギーチャージでき、心も晴れ晴れ良い気分転換になりました。

気象神社

杉並区高円寺南4丁目44の19

交通

JR中央線・総武線高円寺駅より徒歩2分