連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越梨江の旅行手記〜」第89回

今回ご紹介するのは市比賣(いちひめ)神社。昨年の秋に京都を訪れた際にタクシーの運転手さんに教えていただいた神社で、女性の守り神とされ女性の全ての願い事にご利益があり、「女人厄除け」として有名な全国でも珍しい神社です。桓武天皇が平安京遷都に伴い、左右両京の市座(常設市場)を守護する神社として延暦十四(七九五)年に創建されたと伝えられています。
先日大阪に用事があり、ちょっと時間があったので、調べてみたら京都駅から千円もかからないくらいの距離で、時間的にも行けそうなので早速参拝してきました。御祭神は、多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)市寸嶋比賣命(いちきしまひめのみこと)多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)神大市比賣命(かみおおいちひめのみこと)下光比賣命(したてるひめのみこと)とまさかまさかの五人の女神様。
現在の場所に移転鎮座されたのは、秀吉の時代とのことですが、タクシーを降りても、神社がどこなのかわからないくらい住宅街の中に溶け込んだこぢんまりした神社で、しかもちょっと面白いつくりになっていてマンションの一階が授与所とご祈祷などの受付で、通路を進むと本殿、天之真名井、カード塚などがあり、運転手さんがおっしゃっていた通りご利益を求める女性の参拝客で賑わっていました。


五人の女神様たちも大忙しだろうけど、きっとその時代時代で神社の方と参拝客の方たちも五人の女神様を守ってきたんだろうなぁとぼんやり思い、温かい気持ちで、私もハッピーカード守りを購入しました。

市比賣神社

京都市下京区河原町五条下ル一筋目(市姫通)西入ル.

交通

京阪「清水五条」駅下車、徒歩5分
市バス「河原町正面」下車、徒歩2分 京都バス「河原町五条」下車、徒歩2分.