連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越梨江の旅行手記〜」第78回

(仮本殿写真は、大宰府天満宮提供)

今回ご紹介するのは福岡県太宰府市にある太宰府天満宮です。天神さまの愛称で広く知られる菅原道真公をお祀りする天満宮の総本宮であり、菅原道真公の亡骸が眠る墓所でもあります。無実でありながら左遷され、京の都を離れた道真公は、ここ太宰府で幽閉生活を送り、その二年後に亡くなります。幼少期から神童と謳われ、学問の神様としても有名な道真公は、失意の中にあっても最後まで誠を尽くした人として知られ、「至誠の神様」としても崇められています。数々の伝説も伝わっていますが、亡くなった後も千年以上のながきにわたり、ずっとお祭を続けているあたたかいホスピタリティに溢れた太宰府の方々は、きっと当時から健在で、失意の道真公の強い癒しとなったはず。また、現在私たちに素晴らしい癒しをくれている広い広い境内の巨木たちは、思わず普通にご挨拶してしまうくらいの存在感を放ち、この地の居心地の良さを可視化しているようです。


私が訪れた二十五日は道真公とご縁が深く、生まれた日、亡くなったと伝えられる日でもあることから、毎月、月次祭が執り行わています。この日は、参拝の楽しみの一つでもある名物の梅ヶ枝餅も、よもぎを使ったレアものが販売される特別な日。神社の方によると旅の計画を立てるなら、九月の大祭がおすすめで、大祭の前夜である二十四日はとても幻想的な風景に出会えるとのこと。西鉄太宰府駅から徒歩5分とアクセスも抜群。現在御本殿は124年ぶりの大改修中ですが、とっても素敵な仮殿(写真)が私たち参拝者を迎えてくれます。文・河越 梨江

太宰府天満宮

福岡県太宰府市宰府四丁目七番一号
西鉄太宰府駅から徒歩5分