連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越梨江の旅行手記〜」第74回


今回ご紹介するのも変化球になりますが、沖縄県南城市知念に属する久高島。沖縄本島東南端に位置する知念岬の東海上5・3キロにある周囲8キロの細長い島で、近年、一般の方にもよく知られるようになった日本屈指のパワースポットです。久高島の歴史は古く、琉球開闢(かいびゃく)の祖「アマミキヨ神」がニライカナイ(神の世界)から降りてきたとされる島で、現在でも、豊な自然と、琉球神道の際に祭祀を行う施設である御嶽や、礼所など、古来から守り伝えられてきた史跡が数多く残されていることから、神の島とも呼ばれています。

以前、斎場御嶽をご紹介したときに書いた琉球王朝時代の王国最高位の神官・聞得大君(きこえおおきみ)と一緒に、歴代の琉球国王も参拝を欠かさなかった祈りの島でもあり、斎場御嶽は、久高島を拝むために開かれたとも言われています。

鳥居もお賽銭箱も、お守りもご朱印帳もおみくじもない、この大自然が見せつける力強い神聖さに圧倒され、同時に大きな優しさも受け取れることを感じ取り、魅了されている事実が、パワースポットと言われる所以かもしれません。今回八年ぶりに訪れた久高では、新年を迎えるにあたり、楽しみで仕方なかったアーシングも、しっかりさせていただいて、心身ともにリフレッシュできました。目には見えない神々と、実際島で暮らす方々に対する敬意を忘れず、感謝の気持ちを込め笑顔でご挨拶をして、二〇二四年が美しく豊かな循環で満たされる一年になるよう、感謝と祈りを捧げてきました。本年もお付き合いいただけましたら幸いです。


神の島・久高島

■交通
沖縄県南城市知念久高
那覇空港より安座真港まで車で五十分
安座真港からフェリーで片道二十五分