連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越理恵の旅行手記〜」第66回

 今回ご紹介するのは、文京区根津にあります根津神社です。こちらは私よりも皆さんの方がお詳しいかもしれませんね。根津神社の歴史は古く約二〇〇〇年前に、日本武尊が千駄木の地に創祀したと伝えられるとても格式の高い古社です。

 江戸時代、五代将軍徳川綱吉公が、現在の社殿を奉建し千駄木の旧地から現在の地に御遷座しました。境内はとても広く、ゆっくりまわると良い運動になり、一歩一歩、進むごとに心が静まり自分の中心に還れるような感覚も味わえます。個人的にはポコッポコッとまあるい緑のグラデーション(つつじ)がとても気に入り印象に残りました。元々甲府宰相徳川綱重公の下屋敷だった頃、綱重公が植えたのがはじまりで、そこから三五〇年以上ものながきにわたり、私たちを癒し楽しませてくれているこのつつじたちを、こちらにお散歩に来ていたと言われる文豪(夏目漱石や森鴎外など)も、その歴史や季節を感じ、愛でていたのかもしれませんね。さて、四月一日から三〇日の朝九時半から夕方五時半までの開苑で、つつじまつりが開催されます。

 入苑寄進料は現金のみで三百円。約百種、三千株のつつじは、早咲き遅咲きとあるそうなので開苑中は二度三度と訪れたいです。植物のパワーは絶大。問答無用で私たちを元気にしてくれます。このつつじ苑で深呼吸するのは最高でしょうね。私が見た緑のグラデーションは、あと数日で、赤とピンクに色を変えどんな奇跡を見せてくれるのでしょう。今からとても楽しみです。(写真は許可をいただいて掲載しています)文・河越梨江

根津神社

東京都文京区根津一の二八の九

東京メトロ千代田線根津駅・千駄木駅より徒歩五分

東京メトロ南北線東大前駅より徒歩十分