連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越理恵の旅行手記〜」第65回

今回ご紹介するのは、六百年の歴史を持つ浄土宗大本山増上寺。正式名称は、三縁山広度院(さんえんざんこうどいん)増上寺。徳川家康公が、増上寺にて葬儀を行うようにと遺言を残したほど、徳川将軍家と深い繋がりがあり、二代秀忠公、六代家宣公、七代家継公、九代家重公、十二代家慶公、十四代家茂公、計六名の将軍とその正室、側室の墓所が設けられている徳川家の菩提寺です。本殿と東京タワーのコントラストが素晴らしいロケーションは、観光客の方にも人気のインスタ映えスポット。ここ増上寺は、私が大好きなお寺です。

浄土宗の教えには、「南無阿弥陀仏とただひたすら唱えれば、誰もが極楽浄土に往生できる」というものがあります。難しいことはわかりませんが、日頃頭を使いまくっている疲れた私たちも、南無阿弥陀仏と心の中で唱えることで、日々の緊張から解き放たれ、その間無心になれます。さらに呼吸も一緒に整えることで、ゆっくりゆっくり心も静かになり、広い本殿で癒しと赦しのエネルギーに包まれてリラックスできるのが、個人的にとてもお勧めです。

今年は、九州で暮らす両親が上京し、初めて一緒に東京でお正月を過ごしたのですが、何か思い出になればとあれこれ思案して、一月三日に増上寺に参拝し、そのまま箱根駅伝の復路の選手たちを沿道から応援しました。いつもテレビで見るお正月の光景を実際に目で見て体験したことと、増上寺に参拝できたことを両親がとても喜んでくれていい親孝行になりました。芝、大門、増上寺というキーワードは、落語好きな私としては、心躍るスポットでもあり、新年早々とてもいい時間を過ごすことができ大満足です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

大本山増上寺

東京都港区芝公園四の七の三五

Jr線・東京モノレール浜松町駅から徒歩十分

都営三田線・御成門駅・芝公園駅から徒歩三分