連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越理恵の旅行手記〜」第61回



 今回は一三〇〇年以上の歴史を誇る、伏見稲荷大社をご紹介します。全国に三万社あると言われる稲荷神社の総本山。商売繁盛・家内安全の神として広く信仰され、現在もなお大勢の参拝客で賑わっています。ここ、伏見稲荷大社は、実際はとてもとても広く、稲荷大神が鎮座した稲荷山全体が御神域で、信仰の対象となっています。この小山めぐりこそが、伏見稲荷大社参拝の醍醐味。この「稲荷山詣で」は、平安時代でも大人気だったようで、清少納言の『枕草子』にも登場しています。

 山頂の一ノ峰まで登るルートは、伏見稲荷大社の魅力を余すところなく堪能する事ができるのですが、標高233メートル、一周四キロで、歩くと2時間ほどの道のりは、そうたいしたことないと思いがちですが、体力のない方には、オススメできない過酷な山登りです。もしも、せっかく来たからには登ってみたいという方は、参拝時間に余裕を持ち、歩きやすいスニーカーか、普段履き慣れた靴と、水分補給のお水を持参することをお勧めします。

 読者の皆さんもよく目にする伏見稲荷の見所の一つである、「千本鳥居」は、あまり体力に自信のない方や、時間に余裕がない方にお勧めのコースです。晴れた日の青空と、「千本鳥居」の朱色のコントラストは、誰が撮っても思い出深い、素敵な写真になること間違いなし。全国から同じ考えの方が集まってきていますので、たくさんの参拝客の方と譲り合いながら、ここだというアングルを見つけてくださいね。山頂の「一の峰」の写真も添付します。私はもう二度とここに参拝することはないと思います。それくらい過酷でした…。文・河越 理恵


伏見稲荷大社

京都市伏見区深草藪之内町六八
JR奈良線「稲荷駅」からすぐ
京阪本線「伏見稲荷駅」から徒歩五分