江戸時代に加賀藩主から徳川将軍に献上されていた「氷室の雪氷(せっぴょう)」が、5日(火)、板橋区と友好交流都市協定を締結している石川県金沢市から贈呈され、一日限定で本庁舎一階の正面玄関にて公開されている。
板橋区と金沢市は、かつて区内に加賀藩の広大な下屋敷があったことが縁となり、昭和54年の板橋区民まつりに豊年太鼓とミス百万石が参加したのを皮切りに、長年にわたる交流を重ね、平成20年7月9日には両都市間で友好交流都市協定が締結されている。その中で本イベントは、金沢の奥座敷である湯涌温泉の「氷室の雪氷」を江戸時代さながらに献上することで、夏場に“一服の涼”を提供し、両都市の交流のさらなる発展を図るとともに、湯涌温泉のPRにもつなげていこうと開催されたもの。平成13年7月2日に初めて、それから9年後の平成22年7月5日に2度目の献上をされて以来、毎年この時期に区へ贈られている。
5日午前10時、板橋区役所で行われた贈呈式では、「氷室の雪氷」が安藤有(あんどう・たもつ)湯涌温泉観光協会会長から坂本健(さかもと・たけし)板橋区長に贈られた。贈呈を受けた坂本健板橋区長は「台風の影響が心配されていたが、雪氷の贈呈式にふさわしい好天となった。伝統ある雪氷の贈呈に感謝申し上げるとともに、金沢らしいおもてなしの心が詰まった行事が、江戸時代から現代まで続いているのはとても素晴らしいこと。コロナの影響は一部残っているが、この度の雪氷の贈呈をきっかけに、双方の魅力が伝わり、金沢市と板橋区の交流がさらに進むことを期待する」とあいさつがあった。