連載記事「神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越理恵の旅行手記〜」第52回



 今回ご紹介するのは京都市にあります、みんさんご存知の清水寺。音羽山清水寺の開創は七七八年。大きな慈悲を象徴する観音さまの霊場は、国宝と重要文化財を含む三〇以上の伽羅や碑が立ち並び、古くから庶民に愛され親しまれてきた、京都を代表するお寺です。

 先月、仕事で訪れていた関西でタイミングよく参拝できた清水寺には、参拝したその日に決定したという、今年の世相を一字で表す漢字が展示してありました。二〇二一年の漢字は、「金」。実際に目にした「金」という文字は、こちらを圧倒する迫力があり、私には、「大丈夫」というメッセージとして映りました。仕事終わりで訪れた清水寺は、綺麗な夕日に照らされて幻想的な景色を見せてくれましたが、実際、千二百年前から変わることとなく、四季折々姿変えて、それぞれの時代を丸ごと暖かく見守ってくれていたのでしょう。清水の舞台に立つと自然と背筋がピンと伸び、その姿勢のままで雄大な景色を見る感覚は、自分自身が時空を超えたような、不思議な感覚も味わえるのでおすすめです。

 さて、昨年一昨年と、新型コロナウィルス感染症の感染拡大という未曾有の事態に直面し、私たちの生活も大きく変化し新しいものになりました。新型コロナウイルス感染症により影響を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、この変化に対応しながら時は流れ、新しい年を迎えられたことを心から感謝いたします。これからも、万全の感染防止対策を備えて旅を続け、全国の神社仏閣をご紹介いたします。皆さまにとって二〇二二年が美しくそして素晴らしい年でありますように、心よりお祈り申し上げます。



音羽山清水寺
京都府京都市東山区清水一丁目二九四
京都駅から京都交通局(市バス)・京都バスともに五条坂下車 徒歩十分