連載記事 [神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越理恵の旅行手記〜]第43回



 今回ご紹介するのは、三重県鈴鹿市にあります伊勢国一の宮椿大神社(つばきおおかみやしろ)です。椿大社(つばきたいしゃ)というフレーズで認識していた椿大神社は、鈴鹿山脈の麓に位置し、境内を歩くだけでも質の高い森林浴を楽しめます。創建は大和時代と伝えられ、日本最古の神社とされる古社で、猿田彦大神をお祀りする全国2千余社の本宮でもあります。御祭祀はその猿田彦大神。天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、高天原から地上へ降臨される際、先導をしたとされる神様で、「進むべき正しい道へと導いてくれる」という御神徳を求めて、全国から参拝者が訪れています。

 本殿は厳かな雰囲気をまとい、境内は豊かな『木々』と『気』があふれ、いくつかの摂社があります。生前、松下幸之助もよく訪れていたということから、この「経営の神様」をお祀りした、「松下幸之助社」は、金運、仕事運アップに。また、猿田彦大神の奥様でもある天鈿女(あめのうずめ)をお祀りしている椿岸神社は、芸能の他にも、夫婦円満、安産、縁結びなど女性にも嬉しいご利益がいっぱいです。

 三重県には伊勢神宮があり、東京からツアーなどに参加して参拝する場合、伊勢神宮(内宮)(外宮)と熊野三山が一緒になっているものをよく目にしますが、こちらの椿大神社もとても素晴らしい神社なので、機会があったら是非訪れてみてください。
椿が綺麗なことから、地元の方々からは、「椿さん」と呼ばれ親しまれているのですが、まさに今「椿さん」の椿が一年で一番綺麗なとき。私もいろいろと落ち着いたら、ゆっくり参拝したいです。文・河越 理恵



伊勢国一の宮椿大神社(つばきおおかみやしろ)
三重県鈴鹿市山本町1871番地
■交通
東名阪自動車道 鈴鹿インターより10分
近鉄四日市駅下車 三重交通バスにて椿大社行き約55分