今回ご紹介するのは、茨城県鹿嶋市にある常陸國一之宮鹿島神宮です。御祭神は、力自慢として知られている武甕槌大神【たけみかづちのおおかみ】。神話の中で国譲りの交渉の際に、建御名方神【たけみなかたのかみ】と力比べ(お相撲の起源)をし、戦いに破れた建御名方神(諏訪大社の御祭神になる)が、諏訪湖まで逃げて命乞いをしたと言われているのですが、古の時を超えて今もなお広大な敷地を有し、訪れる私たちにも、その神話があながち間違いではないと思わせるくらい、威厳とパワーを持っている何かが存在することにみなさん気が付かれると思います。実際に源頼朝や藤原摂関家、徳川家康をはじめとする徳川家などの武将の尊崇を集め、武神として仰がれていたようです。力比べというのがキーワードなようので、勝負事のお願いをするのに最もふさわしい神様で、より良い結果をもたらして下さるのではないでしょうか。
さて、この広大な敷地には、なんと鹿がいるのですが、奈良時代に鹿島神宮とご縁がある藤原氏の氏神・春日大社が創建され、鹿島神宮・香取神宮から御祭神を分社させた際、実はこの鹿たちの祖先が、奈良の春日大社に連れて行かれたそうなのです。鹿島神宮から連れてこられた鹿たちは、吉永小百合さんが歌に歌うくらい今ではすっかり春日大社の鹿として有名になりましたが、その後鹿島神宮の鹿は絶滅し、今いる鹿たちは、改めて奈良からやってきた鹿の子孫なのだそうです。いろいろと繋がっていて、歴史は本当に面白いですね。
ここ、鹿島神宮と、千葉県の香取神宮そして茨城県神栖市の息栖神社の三社は、東国三社と言われています。チャンスがあったらぜひ参拝されてみてください。三社参りをし、御朱印をお願いすると最後に訪れた神社でお札をいただけるようです。私はラッキーなことに鹿島神宮が一番最後だったので、こちらのお札をいただき宝物にしています。ここ鹿島神宮は、神社大好きな私が、もう一度きちんと参拝したいと思う数少ない本当にパワフルで威厳のある素晴らしい神社です。
常陸國一之宮鹿島神宮
茨城県鹿嶋市宮中2306番地1
アクセス:JR鹿島線・高速バス 鹿島神宮駅から徒歩10分
東京駅八重洲口から高速バス鹿島神宮停留所下車(かしま号で2時間)