今回ご紹介するのは、杉並区阿佐ヶ谷にある大宮八幡宮です。御祭神は、応神(おうじん)天皇と、そのお父様仲哀(ちゅうあい)天皇(日本武尊の子)、そしてお母様である神功(じんぐう)皇后の親子三神。私は少し前に、女性天皇の記事を書く機会があり日本の歴代女性天皇について調べその中でもこの神功皇后にとても興味を持ちました。神功皇后は、古代日本の象徴的ヒロインで、神と交信する不思議な力を持っていたと伝えられています。そのエピソードはどれも神がかっていて、中でも御神託を受け、急死した夫の代わりに女将軍として出兵し三韓征伐を成し遂げたときは、のちの応神天皇身籠っていたという逸話には驚きです。
大宮八幡宮はそのエピソードを元に母子の固い絆から強く丈夫な子が生まれ育つという信仰があり、子授け、安産、子育てにご利益があると言われています。仲哀天皇が急死してから、応神天皇が成長するまでの間、神功皇后は政治にも携わりますが、なんとその期間は七〇年間。こんな勝負強さやことを成し遂げるガッツなどは、現代に生きる我々にとってそばにいて欲しい心強い神様です。神功皇后に関しては実在したのか諸説ありますが、こうしてはるか長い時を超えても信仰を集めることができるのが何よりの存在感であると言えるでしょう。
参拝したその日、本殿への階段を上るタイミングで、太鼓の音が響きだしました。都心にありながら広大な自然に囲まれた大宮八幡宮は、歴史を感じさせる豊な木々が優しい癒しの空間をつくり、とても空気の綺麗な神社です。暑さもようやく落ち着いて、秋の気配を感じるようになってきましたので、お天気のいい日にお出かけされてみてはいかがでしょうか。
大宮八幡宮
東京都杉並区大宮二の三の一
■交通
JR新宿駅・中野駅より
永福町行きバスで大宮町下車 徒歩三分