今回ご紹介するのは、お伊勢さんと呼ばれ親しまれている、伊勢神宮です。言わずと知れた天照大御神をお祀りしている内宮と、天照大御神の食事を司り産業の守り神でもある豊受大御神をお祀りする外宮を含めた、百二十五の宮社全てを伊勢神宮と言い、正式には、「神宮」と言います。
元々は奈良・倭の地にお祀りされていた天照大御神ですが、二千年以上前のある時それを他の地に移すということになりました。そこで倭(やまと)姫というお姫様が宿命を全うし長い月日をかけて旅を続け、その安住の地としてここに辿り着きお祀りしたと伝えられています。昔から人々が一生に一度参拝できたらと憧れた地にふさわしく、実際参拝してみると人々が魅了されるのがわかります。独特の空気感や緊張感は、伊勢神宮ならではだと実感できます。伊勢神宮には、おみくじがありませんが、その理由の一つとして「参拝した日が大吉じゃないなんて考えられないから」と言い伝えられているのも天晴れですね。
全国の神社巡りをしていて思うのですが、やはりその土地のエネルギーが良い所は、その土地の神様に力があり元気がいいことと比例する気がします。目に見える現象として、まず神社自体が清潔に保たれていることと、参道や神社の周りが活気に溢れているんですよね。ここ伊勢神宮は日本でも断トツではないでしょうか。神宮内はゴミ一つないし、地元の方と参拝客とでとても賑やかな「おかげ横丁」は、その最もわかりやすい現象の一つです。美味しいものもたくさんあって、今でもお伊勢参りの楽しみの一つでもあると思います。
お正月の伊勢神宮は、日頃と比べて参拝客が多すぎてエネルギーが乱れ良くないと言う方もいらっしゃいますが、伊勢神宮で個人的なお願いする人がいないことからもわかるように、そのレベルの神様なので多分そんなことくらいでは乱れません。参拝される際は、神宮のルールに則り「下宮から」と言われていますので、忘れないでくださいね。伊勢神宮はバスのツアーもたくさんありますので、ご興味のある方はぜひ調べてみてください。
文・河越理恵
伊勢神宮
内宮 三重県伊勢市宇治舘町一
下宮 三重県伊勢市豊川町二七九