~中高生がチョークのバトンをつなぐリレープロジェクト~高校生が描く「巨大黒板アート」が完成
7月31日(月)、北区文化芸術活動拠点「ココキタ」*1(豊島5-3-13)で、都立王子総合高等学校のイラスト部の生徒14名が巨大黒板アートを完成させた。
これは、区内の高校に通う生徒が同施設のカフェ内にアート作品を描くことを通して、地域の人々に芸術への関心を持ってもらうとともに、若手アーティストの活動の場を提供することを目的としたもの。生徒が図案から仕上げまで自由に制作を行う。
アート作品は、同施設1階にある「カフェぱれっと*2」(月曜休業)内の巨大黒板(店内:縦240cm×横530cm、入口:縦240cm×横190cm・縦50cm×横190cm)に描かれ、ランチタイムで訪れる人々が鑑賞できる。12月頃まで。
東京都北区文化芸術活動拠点ココキタでは、若い世代の人々の文化・芸術活動を支援・応援するため、様々な事業を展開しており、その一環として、区内の中高生がリレー方式で参加する「巨大黒板アート」リレープロジェクトを平成29年2月から実施している。これまで、東京成徳大学中学・高等学校の美術部や成立学園高等学校の漫画研究会、飛鳥高等学校の美術部がチョークのバトンをつないできた。
4校目となる今回は、区内にある都立王子総合高等学校イラスト部の生徒14名(男子2名、女子12名)が巨大黒板アートに挑戦。3日かけて図案を作り込み、実際の制作はわずか1日で完成させた。
この日、朝9時から同校の生徒が同施設に来訪し、早速白いチョークで下絵を描き始め、その後、削った7色のチョークを水に溶かし、ハケを使って巨大黒板へ筆を入れていった。普段の部活動では、A4の紙にイラストを描いているため、想定していた以上に隙間ができてしまうなど、慣れないスケール感に悪戦苦闘する様子も見られたが、生徒同士で話し合いながら修正を加え、7色のチョークを使い分けて巧みに描いていった。およそ8時間かかった末に完成させると、生徒は歓声をあげながらほっとした笑みを浮かべ、喜びを分かち合った。
作品のテーマは、「宇宙と水」。暗いトーンの黒板を宇宙空間に見立て、惑星などを表面の凹凸や模様をうまく表現しながら大きく描いた。また、水族館の巨大な水槽をイメージしてクジラやヒトデなど様々な水生生物が宇宙空間を自由に泳ぐ様子をカラフルに描き、独特の世界観をダイナミックに表現した。
高校2年生の女子生徒は「今までこんなに大きな絵をみんなで描いたことはなかったけど、普段は個人単位でイラストを制作する部員同士の団結力を深める良い機会になりました。多くの人に食事をしながら観ていただいて、綺麗だな、自分も描いてみたいなと思ってもらえたら嬉しい」と満足げに語った。
なお、この作品は12月頃まで展示され、その後も新たなアート作品が描かれる予定となっている。