“120年サイクルで咲く竹の花今年も開花”区件内名の竹林園で「マダケ(真竹)」が開花
場所 竹と親しむ広場(江戸川区篠崎町5-5)
写真 マダケの花、マダケの花について説明する「竹と親しむ会」の羽田会長
撮影日時 平成29年6月7日(水)午前11時頃
120年のサイクルで開花すると言われる「マダケ(真竹)」。区内に整備された竹林園「竹と親しむ広場(篠崎町5)」では今月5日「マダケ」の一部で開花が確認され、7年連続で同じ地下茎をもつ竹が花をつけていることが分かりました。
同園は、都有地約1,000平方メートルを区が借り受け整備されたもの。同園がある篠崎地区は、かつて「シノダケ(篠竹)」が生い茂っていたことから「篠崎」の地名がついたと言われるエリアで、この地で竹林を復活させるとともに竹細工や竹を使った遊びを通じて竹文化を継承しようと、平成17年に開園しました。当時は、地域住民らの協力を得て「マダケ」や「モウソウチク(孟宗竹)」など6種を植栽。その後は、同園の手入れを行うボランティア団体「竹と親しむ会(会長:羽田勝彦/会員数:17名)」が全国からさまざまな竹・笹を入手し、竹稈(ちくかん)が黄金色で枝の伸びる芽溝部に緑の縦縞が入った希少種「キンメイチク(金明竹)」や稈が四角形の「シホウチク(四方竹)」など計23種を植栽しました。現在は、園内で間引いた竹を使って「竹垣」や「竹棚」なども整備され、全国でもさまざまな種類の竹・笹を見ることができる貴重な竹林園となっています。
「マダケ」は太く長い地下茎も持ち、大きいもので竹稈の直径約15センチメートル、高さ約20メートルにもなる大型種。その生態特性は現在も解明されていないことが多いものの、約120年のサイクルで開花し、一斉に開花すると一斉に枯死すると言われています。国内では昭和40年代、全国的に一斉開花・枯死が確認されて以降、近年も新たに各地で開花が確認されています。
同園で初めて「マダケ」の開花が確認されたのは、東日本大震災から3カ月後の平成23年6月。竹と親しむ会のメンバーが発見し、京都大学大学院地球環境学堂地球親和技術学廊・柴田昌三教授に確認してもらったところ、同じ地下茎の竹が一斉に開花する「一斉開花」ではなく、一部分に花が開く「部分開花」という珍しい現象であることが分かりました。部分開花では一週間程度で花はしぼむものの、竹自体は枯死することなく生息します。同園では、23年以降毎年この時期に花をつけており、今年は5日に開花を確認。同会の羽田勝彦(はねだかつひこ/73歳/南篠崎町1)会長は「柴田教授からは、7年連続で部分開花がみられる竹は全国的にみても珍しいと聞いている」と話します。同じ地下茎をもつ竹からは、現在も複数のつぼみが確認されており、これから新たに咲く花もあるとみられます。
同園では今年、「マダケ」だけでなく「キンメイチク」の花も初めて開花を確認。今月7日に同会のメンバーが発見し、柴田教授や(一財)竹文化振興協会の会員など独自で持つネットワークを活用しながら現在も園内の竹の生態を調べています。羽田会長は「地殻変動が活発化しているのかわからないが、竹が子孫を残そうと花をつけているのではないか」と話しています。
「竹と親しむ広場」は都営地下鉄「篠崎駅」から徒歩5分。入園は無料です。