【荒川区】光れ! 荒川区が誇る匠の技!「第38回あらかわの伝統技術展」

光れ! 荒川区が誇る匠の技!「第38回あらかわの伝統技術展」
平成29年7月7日(金曜)から9日(日曜)午前10時から午後5時まで 入場無料
荒川総合スポーツセンター(荒川区南千住6-45-5)




 7月7日(金曜)から、荒川総合スポーツセンターで「あらかわの伝統技術展」が始まりました。荒川区内の伝統工芸技術保存者を中心に、約70名の職人による伝統工芸の展示・実演・販売を行っています。
 今回で38回目を迎えるこのイベントは、名実ともに区の催しの中で最も伝統と歴史のある催しです。毎年、区内の小中学生から高齢者まで、幅広い世代の方々が日本の伝統文化を堪能する学びの場となっております。「あらかわの伝統技術展」は、明日7月9日(日曜)まで開催されます。



【 匠の町あらかわ ― 荒川区の伝統工芸 ― 】
 主催者である荒川区伝統工芸技術保存会は、平成26年度にふるさとづくり大賞、団体表彰(総務大臣賞)を受賞。荒川区顧問で、区指定文化財である鋳造の菓子満(かし・みつる)さん、同じく区指定文化財である金切鋏の田中清介(たなか・せいすけ)さんは、昨年秋と今年春にそれぞれ黄綬褒章を受章されました。
 荒川区では、区内において長く同一の職業に従事し、培った高い技術と卓越した技能をもって後進の指導・育成に力を注いでいる方を、「荒川マイスター」に認定しています。また伝統工芸に関心があり、職人さんへの弟子入りを希望する若者に対して研修手当や指導料といった形でサポートする「荒川の匠育成事業」にも力を注いでいます。
 そして今年5月から荒川ふるさと文化館(荒川区南千住6-63-1)1階に、伝統工芸の常設展「あらかわ伝統工芸ギャラリー」をオープンしました。毎月、実演・体験・解説などのワークショップを行っています。



【 当日の様子 】
 開場時間の午前10時になると、まずは前日同様に区内の小学生がぞくぞくと来場。「三味線弾いてみたい!」「お花のかんざしが可愛い!」と、子ども達は自分の気になる工芸品ブースへ向かっていきます。真剣な眼差しで工芸品を見つめる子ども達を見て、「分からないことは何でも質問してね」と職人さんも思わず頬をほころばせていました。
 11時近くになると区民の方も多く来場します。西尾久2丁目在住の80代の女性は、指物のブースで箸作りに挑戦! 細長い長方形の桑を小さな鉋で削っていく作業です。粘り気の強い桑は、削っていくと表面が非常に滑らかになり、また時間が経つにつれて木の色が変化するのが特徴。「住み込みでの修業を始めた頃、最初に親方から、『自分の箸は自分で作れ!』と言われたんですよ」と、職人さんとの会話を楽しみながら作業を進めていました。完成した箸を手にした女性は、「毎年、この伝統技術展に来ています。木版画は体験したことがありましたが、箸作りは初めて。難しかったけど面白かったです。今夜の晩ご飯からこの箸を使って食べるのが楽しみです。」と嬉しそうに話して下さいました。
 体験ブースに参加された来場者の皆さんは、工芸品が作り上げられる工程をただ眺めるだけでなく、直接触って確かめることで、長年の経験から研ぎ澄まされた職人の感覚の正確さを実感している様子でした。
 また「荒川の匠育成事業」制度を活用している職人さんは、お弟子さんと共に伝統技術展に参加。お弟子さんは大学や専門学校を卒業して数年、といった20代の女性の方が目立ちました。「若い人にも木版画の魅力を知ってもらいたい」と語るのは、木版画彫職人・関岡裕介さんの下で修業する阿部紗弓さん。同じく「荒川の匠育成事業」を活用する漆塗職人の角光男さんは、「弟子がたとえ失敗しても、それを怒ったりはしません。なぜなら失敗を重ねて覚えていくことが、一番上達に繋がる道だからです。」と、普段の修業でのやり取りを教えて下さいました。

 最終日の明日7月9日(日曜)は、伝統工芸技術記録映像の上映後、区指定文化財保持者(つまみかんざし)戸村絹代さんにお話を伺う「職人よもやま話」コーナーが設けられます(午前10時30分から11時30分を予定)。