【北区】~縄文時代の「火おこし・木の実割り・弓矢狩り」を体験~「夏休み縄文人なりきり体験教室」開催

~縄文時代の「火おこし・木の実割り・弓矢狩り」を体験~「夏休み縄文人なりきり体験教室」開催



 8月4日(金)、子どもたちに縄文人の暮らしを楽しみながら学んでもらおうと、復元した縄文時代の道具を用いた「夏休み縄文人なりきり体験教室」を北区飛鳥山博物館(王子1-1-3 飛鳥山公園内)で開催した。
 この日参加した区内在住の小学生と保護者24組54名は、木の棒を回転させる火おこしや弓矢での狩り、石を使った木の実割りなどを体験。子どもたちは、火種を誰よりも早く作ろうと必死に棒を回し続けたり、硬いクルミを根気よく叩き割ったりと、縄文人の生活の知恵や苦労を楽しみながら学んでいた。



 この教室は、北区飛鳥山博物館が開催している小中学生の自由研究に役立つイベント「夏休みわくわくミュージアム☆2017」の一環として催され、夏休みの子どもたちへ縄文人の暮らしを肌で体感し理解を深めてもらおうと企画された。
 この日、小学3年生から中学2年生までの児童とその保護者24組54名が参加し、子どもたちは縄文服や勾玉等が付いた首飾りなどのアクセサリーを身に着けて縄文人に変身。火おこしのほか、矢を段ボールで作られたイノシシに当てる弓矢での狩り、平たくて頑丈な石と丸い拳サイズの石を使ったオニグルミ割りなどを体験した。他にも、縄を転がして縄文土器の文様を粘土につけて土版(タブレット)を作成するなど、縄文人の文化や生活の知恵、苦労を様々な体験を通じて肌で感じ取っていた。
 火おこし体験では、かなりの力が必要な縄文時代の方法「弓ぎり」の代わりに、今回は火きり棒を安定して回転させることのできる「舞ぎり」を行った。まず、火きり棒の先端を三角の切り込みが入った「火きり板」へ当て、回転させることで生じた摩擦熱によって火種を作る。力を入れるタイミングがずれて回転が止まってしまい、悪戦苦闘する子どもの姿も見られたが、学芸員にコツを教わりながら父親と協力して根気よく回し続け、やっとの思いで火種を作った。次に、火種を乾燥させたコナラの雄花に乗せ、息を吹きかける。口をすぼめて細い息を吹きかけ続けるのがコツという。ふいに風向きが変わって煙を吸ってむせてしまう様子も見られたが、発火させることができると、息を切らしながらも満面の笑みを浮かべた。
 火おこしを体験した小学3年生の男の子は「息を吹きかけた時に火の粉が飛んで少し熱かったけど、面白かった。今はライターとかがあるから簡単に火を点けられるけど、自分で火をおこすのは大変。食事のたびに火おこししていた縄文人はすごい」と答えてくれた。