【江戸川区】“えどがわの干潟、身近な自然をもっと知って”「干潟の生きもの大集合」 開催中

“えどがわの干潟、身近な自然をもっと知って” 「干潟の生きもの大集合」 開催中



 2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、都内初のラムサール条約登録を目指す干潟、「葛西三枚洲」。この干潟に生息する生き物の展示などを通じて江戸川区の豊かな自然環境を知ってもらおうと、江戸川区篠崎文化プラザ(篠崎町7)では、企画展示「干潟の生きもの大集合」を6月3日(土)から開催。初日から家族連れなど多くの来場者で盛況となっています。
 「干潟」は、川や海に流れ込む河口や湾などの水深が浅く、潮がひくと砂や泥の地面が現れる湿地。生命を育む重要な役割を果たすことから「いのちのゆりかご」とも呼ばれ、人間の営みにも大きな関わりを持っています。
 高度成長期の大規模な埋立事業では、東京湾岸の約90%が埋め立てられるなか、江戸川区の干潟は「本来の姿を未来に残したい」と、人工的に「東なぎさ・西なぎさ」が造成され、三枚洲と呼ばれる自然の干潟は残されました。荒川や旧江戸川が注ぎ込む干潟と浅瀬では、これまでに約140種類の魚や底生生物、約260種の野鳥を確認。大都市にあっても生物多様性を実現していることから、豊かな自然環境を保っていることがわかります。これまで環境保全への取り組みは、「日本野鳥の会・東京」をはじめとする多くの関係団体らによって進められ、2020東京五輪・パラリンピックを見据えて東京都は「世界に誇れる湿地である」としてラムサール条約への登録を目指す考えを示しています。



 会場では、葛西の干潟の歴史や役割、漁業との関わり、ラムサール条約登録に向けた活動、これまでに確認された生き物の写真をパネルで展示。干潟紹介マップでは、葛西海浜公園内の観察や採集、釣りを楽しめるスポットを解説しています。また、各所に設置された10基の水槽には、葛西の干潟に生息する準絶滅危惧種の「トビハゼ」や絶滅危惧種の「ニホンウナギ」のほか、「ヤマトオサガニ」など約20種類の生き物を展示。6月から8月中の毎週日曜日の午後2時から3時までは、生きものに実際に触れ合える「タッチプール」を開設します。さらに、誰でも参加できる干潟の生き物に関するクイズラリーを実施。今夏、子どもから大人まで干潟を身近に感じて楽しみながら学べる企画展となっています。
 期間中は、講演会や工作など子どもたちの夏休みに合わせて様々なイベントを開催。7月9日(日)に行われる「干潟の生きもの観察会」では葛西海浜公園へ行き、葛西臨海水族園のスタッフが生きものの暮らしについて解説します。同企画展示は、同館3階企画展示ギャラリーで午前9時から午後9時30分まで開催。9月3日(土)まで。