連載記事 [神社仏閣巡りの旅 〜トライベルライター河越理恵の旅行手記〜] Vol3

 今回ご紹介するのは、島根県にあります出雲大社です。言わずと知れた大国主命をお祭りしているということで有名な神社ですが、私は、実はここ出雲大社は伊勢神宮と対になっていて、天照大神と姉弟神である素戔嗚命(スサノオノミコト)を御祭神としているのではないかという印象を受けます。それは神社の造りを見ても納得していただけると思うのですが、本殿の後方さらに高い位置に素鵞社(そがのやしろ)という素戔嗚命を御祭神とするお社が存在していて、この位置から出雲大社全体を見守っているという感じがするからです。実際に参拝してみるとよくわかると思うのですが、出雲大社本殿よりも、この素鵞社のエネルギーの高さは無視できない存在感です。出雲大社に参拝される際は、忘れずに行かれて見てくださいね。
 さて、ここ出雲大社はいわゆる私たちが神無月と呼んでいる旧暦の十月に全国から神様が集まり会議をされます。この時伊勢神宮の天照大神だけは、伊勢に留まっていらっしゃるようですね。全国から集まった神々は、私たちの縁結びについての会議をされるらしいのですが、なんといってもこの時期参拝する魅力としては、全国から神々が集まっているので、ここ出雲大社に参拝することで、あちこち参拝しなくてもいいということではないでしょうか。神様にも得意不得意はあるようなので、病気を治すのが得意な神様、お金に関することが得意な神様、勝負に関して得意な神様、恋愛に関して得意な神様などいろいろな得意分野をお持ちの神様が勢揃いしていらっしゃるのは圧巻だと思います。神前では、心を落ち着かせて手をわせ、住所と名前をきちんと名乗って、日頃のお礼を言うといいと思います。ちなみに今年の大祭は、十一月二十七日に神々をお迎えする神迎祭が行われます。この日から約一週間神々はここ出雲大社に滞在されるわけですが、私はこの古の歴史の中で受け継がれている大切な行事に昨年両親と友人と参加しました。神秘的な稲佐の浜での体験は忘れられないものになりました。大国主命を前に立たせて、後ろから見守っている絶対的存在の素戔嗚命。出雲大社の神在祭のホストは、大国主命ではなく素戔嗚命ではないかと私は思っています。いつ参拝しても気持ちの良いエネルギーをまとっているここ出雲大社は、私も大好きなオススメの神社です。タイミングが合えばぜひ神在月に訪れてみてくださいね。


出雲大社
島根県出雲市大社町杵築東195
アクセス:JR出雲駅から一畑バス
(出雲大社・日御碕・宇滝行き)で25分