【江戸川区】“住民団体が立ち上げ、20日に開所式”フードバンク「ステーションM」開設

“住民団体が立ち上げ、20日に開所式”フードバンク「ステーションM」開設


 企業や団体、個人から未利用食品の寄付を受け、貧困家庭などへ提供しようと、区民らがボランティアでつくる「フードネット江戸川(代表:堀田英朋/会員数:14名)」が、区内で初となるフードバンク「ステーションM(松島3)」を開設します。20日(火)18時からは、関係者を招待して開所式が行われます。
 フードバンクとは、品質に問題の無い未利用食品を引き取り、生活困窮者など支援が必要な人に無償で提供する活動。近年、食べ残しや売れ残りなど全国で年間約630万トン発生する食品ロスを減らす観点からも注目されています。
 「フードネット江戸川」は、区が社会貢献をする人材育成を目的として設置した講座「江戸川総合人生大学(学長:北野大)」の在学生などでつくる団体。以前からひとり親家庭や高齢者の見守り活動に携わってきた代表の堀田さんは、メディアで多く取り上げられる貧困問題に関心を持ち、自分たちに何か支援できることがないかと考えていました。
 仲間とともに団体を立ち上げたのは、2016年8月。会員らは貧困について学びながら、都内近郊のフードバンクへと足を運び、実際にボランティア活動を体験しました。活動場所を探していると、趣旨に賛同し、のちに会に所属したメンバーから商店街の一角にある築70年の空き店舗を無償で借り受けることができました。活動資金や運営費などの補助制度がないため、開設にあたって課題となるのは資金面。近隣住民から収納家具などを寄贈してもらったり、外装を会員が自らペンキで塗装したりするなどして、手作りの拠点施設を約3か月かけて整備しました。
 活動日は、毎月第2木曜日と第4土曜日の月2回。当面は、他のフードバンク団体から食料を譲り受け、生活困窮者自立支援制度を利用中で区福祉事務所が発行する「食料支援案内状」を持った方を対象に食料を無償で提供します。これまでは区内にフードバンクが無く、都内にも拠点が少ないことから、利用者の利便性が格段に向上するだけでなく、食品を寄付しやすくなります。今後はひとり親家庭などへも食料支援をするほか、学習支援や子ども食堂の開設など活動の幅を広げていく予定で、食を通じた地域のネットワークづくりを目指します。「ステーションM」の名称は、住所地である“松島(まつしま)”の頭文字から取って名づけており、区内にアルファベットのついた施設が増えていくことを望んでいます。
 当日(20日)18時から行われる開所式には、会員やフードバンクの関係団体など約30名が出席。活動日の初日となる24日(土)は、午後2時から午後5時まで開設し、未利用食品の寄付を受け付けます。代表の堀田さんは、「ようやく開設することが出来たという実感が湧いています。区内に支援の輪が広がって、困っている人が食品を受け取ることは当たり前という世の中になることを望んでいます」と力を込めました。同団体では、賛助会員の募集や運営費の寄付なども募っています。食品などの寄付については、堀田代表まで 090-8112-1571