第3回 街の新聞販売所長に聞く


王子十条SC 所長 国分 孝志

 王子十条SCは、JR京浜東北線・東十条駅と、JRの4路線が乗り入れる赤羽駅のちょうど真ん中辺りに位置しています。
 今回は東十条駅から向かいましたが、近年「住みたい街ランキング」で4位を獲得し、人気が急上昇している赤羽駅にも出やすいのは便利ですね。

 国分所長は40代前半ですが、18歳から新聞業界に入り、以降ずっと続けていらっしゃいます。
 とはいえ、最初から産経新聞の販売所だったのではなく、他紙の販売所をいくつか経験されています。
 勤務されていた販売所の存続が危うくなると、周りの方に声をかけて頂いて別の販売所に移る……、という経験を何度かされ、産経新聞の販売所員になったのは亀有の店舗が始まりでした。
 亀有で約1年勤めると、ある日管理部を手伝うように言われます。そこではお客さまからの辛らつなご意見を電話で頂くこともあり、初めてのことに戸惑うこともあったとか……。
 ですが所長はお客様と真摯に向き合い、時間をかけてお話されました。そうすることでお客様の心が柔らぎ、皆さん最後には優しい言葉をかけて下さるそうです。
 そこから半年後には赤塚の店舗に異動が決まったといいますから、お客様対応に慣れるための武者修行だったのかもしれません。
 所長が王子十条SCを任されたのは平成27年12月からですので、現在やっと2年目に入ったところ。王子十条SCを任されてすぐの頃、青年部の一員として『エスマップ』の委員になり、バタバタと環境が変わり驚かれたこともあったでしょうが、その時は快く引き受けて下さって、地元の美味しいラーメン屋さんも紹介して下さいました。
 今、店舗は所長以外に従業員の方が3名いらっしゃいます。他の販売所に比べると人数が少ない気もしましたが、所長は「今がちょうどいい」と感じているそうです。
 男性ばかりとお聞きしましたが、店舗は清潔な印象で、従業員さんも清掃に協力的なのは助かりますね。
 所長も配達業務をされているので、健康への気遣いなど聞いてみましたが、「特に何もやっていない。新聞を配るという毎日の仕事があるから大丈夫なんだと思う」とのことでした。
 でも年に2回の健康診断はきちんと受けていて、コレステロール値が気になりながらも好きな揚げ物はついつい食べてしまうと照れ笑いでしたが……。
 このお仕事を始めた当初は、業務の厳しさから「3ヶ月で辞める!」と思ったこともありましたが、振り返るともう20年以上続いていることになるんですね。
 そういえば、取材が終わり、記者がドアを開けようとしたら開かなかったのです。
 これは東日本大震災の影響で、店舗内のいくつかのドアが開けにくくなってしまったそうです。でも所長は、「コツがあるんですよ」とサッと開けて、見送って下さいました。
 お話ししていると穏やかで、のんびりとした空気になる国分所長。
 困ったときには誰かしらが必ず声を掛けてくれるというのは、所長の人柄のように思えますね。

産経新聞王子・十条SC
〒115-0043 東京都北区神谷2-8-5
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